2010年7月31日土曜日

2010.7.31 サークル管理って?

ちょっとだけ。水泳関係者向けではありません。

「サークル管理」っていうのは、時計を使った練習の管理方法なんです。

たとえば

50m × 10t   on 1'00     

という練習メニューがあるとします。
これはどういう意味かというと、

「50m」を10回(10 times) 1分サークル

という意味。

で、この「1分サークル」というのは、1分の間に50mを泳ぎ、泳いだ時間と休憩時間を含めて「1分間」という意味なんです。

たとえば、『Jack君が45秒で50mを泳いだら、15秒休憩が出来る。』ということ。また、
                 『Tonny君が40秒で50mを泳いだら、20秒休憩が出来る。』とも言えます。しつこく言うと
                 『Ninaさんが35秒で50mを泳いだら、25秒休憩が出来る』ということです。

これは、大変便利なシステムなのです。利点は2つ。

1つ目は、練習の強度(しんどさ)を調節することが楽にできます。この「サークル」を短くすると、練習の強度を上げることが出来ます(キツクすることができます)。逆に、長くすると、休憩時間を増やすことが出来るので、1回1回のスピードを上げるように、指示することが出来ます。

2つ目は、コーチ(指導者)が、泳法指導・ペース配分指示・励まし・アドバイスに時間を割くことが出来ます。

大前提で、選手が見ることが出来る、時計が必要になります。


※こんな時計が、日本のすべての競技用プールにあります。これは日本の職場のもの。約10万円。1m四方。

 で、サークルで管理すると、選手は自分で時計を見て、スタートすることが出来ます。コーチがスタートの指示を出す(笛を吹いたり、声を出す)必要がなくなり、上にあげた「指導」に集中できるのです。


そしてさらに、このサークル管理で、練習の総距離や終わる時間まで、キッチリ管理できます。

ちなみに日本では、私はトイレの時間や休憩時間まで管理していました。「今日の練習は、1時間56分20秒で終わるな!」みたいな。実際、そこまでできます。

  日本にいるとき、職場で、たくさん数字が並んでいるExcelの画面を見つめて、「う~ん、う~ん」と悩んでいる姿を、あなた(Sくん)はよく見たでしょう??あれです。


  シリアでは、そこまでする必要はないでしょう。しかし、せめて選手が、時計を見て自分でスタートを切るくらいまでは、させたいものです。


  現状、シリアのコーチは、嬉しそうに(かどうかは知りませんが)、笛をふいて、選手を出発させています。で、一人の子を個別指導すると、コーチの笛が止まるので、他の選手たちも止まってしまうのです。。


効率悪いでしょ??


サークル管理が出来ないと、やっぱり競技者育成の指導は難しいのです。

だ・か・ら  「時計」がとても大切なのです。今は自前の時計を使っていますが、


※自前の時計。ラップで包んで、ビニール2重。600円。直径約23cm。


コーチみんなに重要性を理解させて、シリアの水泳連盟のお金で買わせることが、今の大きな目標です。

日本のODA(つまりJICAのお金・税金)で買ってしまうと、続きませんからね。

私は「魚の釣り方」を教えに来たのであって、「釣竿(つりざお)」を与えに来たのではないですから。

ということで、サマースクール(補習)ももう終わり??お疲れ様です。しっかり夏休みを満喫してね。

意外に長くなってしまった…。ではまた。ちゃんと働いてるでしょ?

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